インスタグラムで来たメッセージ。あなたに8億円を差し上げます。
インスタグラムのメッセージ機能で毎日知らない人からメールが来ます。99%が知らない女の人です。
その中の1人にこういったメッセージを送ってきた人がいました。以下、相手と私との会話です。
香港のUBS銀行の最高経営責任者からのメッセージ
(相手)私はウェルスマネジメントアジアパシフィックの共同責任者。香港のUBS銀行の最高経営責任者HKおよびUBS銀行のグループマネージングディレクターです。
こんにちは初めまして。あなたは日本のどの都道府県出身ですか?
(私)私は山口県出身です
(相手)私は京都出身ですが香港に住んで働いています。私は56歳です。香港に行ったことがありますか?
(私)いいえありません。
(相手)こんにちは。なぜチャットが速くないのですか?
(私)それほど親しい中ではありません。
(相手)分かりました。LINE-IDを送ってください。LINEアプリで会話を続けましょう。
(私)すいませんがLINEはやってないです。
(相手)分かりました。ここで会話を続けましょう。日本の天気はどうでしたか?
(私)昨日は大雨でした。今日は晴れてますね。
(相手)日本の経済はどうだったか。写真を交換しましょう。
(送って来た写真がこれです。

香港のUBS銀行の最高経営責任者で検索してみましたら、それはエイミー・ローという方で、この方の写真は検索結果にも多く出てきます。
銀行の最高経営責任者が、日本の名もない男にLINEのIDを送ってくださいとか、写真を交換しましょうなどとメッセージしてくるはずもありません。インスタグラムでのなりすましなのは分かりましたが、勝手に本人の写真を使っているようです。)
↓続きです。
(相手)こんにちは。私のメッセージになぜ早く返信しないのですか?理由を教えてください。
(私)特に会話の必要性を感じません。
(相手)どうしてですか?ご相談したいビジネスアイデアがあります。数年前に銀行で起こった出来事に関するものですが…
私のメッセージをよく読んで、わからないことがあれば質問してください。
(私)遠慮しておきます。あなたは社会的地位がとても高い人ですから、その件に関する適任者はとてもたくさんいるはずです。
(相手)大丈夫だよ
2019年、キム・リーという男性がUBS銀行を訪れました。
キム・リーはプライベートバンキングと当行との事業について話し合うために来行しました。
彼と事業について話し合った後、当行は彼に代わって当行に口座を開設し、1,100万ドルを入金しました。
2021年1月までに、彼の対応が必要になりました。
彼のお金と事業について
私はここ香港にある彼の家に行きました。
彼の家に行ったところ…キム・リーと一人息子はCOVID-19に感染し、亡くなったと聞きました。
キム・リーは韓国人で、香港に49年間住んでいます。
彼のお金はまだ当行に預けられています。受け取りたい人はいません。彼の親族を探しましたが…誰も見つかりませんでした。ですから、当行にお越しください。そうすれば、お金はあなたに渡されます。銀行にお越しください。そうすれば、お金はあなたに渡されます。
お金を受け取ったら、私たちはそれを50/50で分け合います。
要約すると、
彼女の銀行に1,100万ドルを預けたままCOVID-19(コロナ)で死亡した人がいます。
ネットでこの時のレートを調べてみますと1アメリカ合衆国ドルは145.92円で、1,100万ドルは16億512万円です。 預けた人の親族は見つからず、このお金を受け取る人がいません。あなたが銀行に来ればそのお金を受け取ることができます。受け取ったお金はあなたと私とで半分分けしましょう。 |
というものです。
(↓それ以降の会話です。)
(私)いえ、遠慮しておきます。そのお金を受け取るために手数料が必要なのではないですか?私はそれを払うことができません。
(相手)このビジネスを聞いたことがありますか
(私)いいえ、これはビジネスなんですね。
(相手)どれくらいの量をお持ちか教えてください。私が代わりに完成させます。この機会をお見逃しなく。
(相手)これは合法的なビジネスです。お金を受け取るまで私の指示に従うだけで大丈夫です。私に会って後悔しないことをお約束します。
(私)いえ、結構です。他の人に言ってみてください。
(相手)大丈夫ですか?どれくらい持っていますか?確認させてください。私が完了させます。
(私)貧乏ですので、ほとんど持っていません。
(相手)わかりました、いくらしたか教えてください、私が代わりにやります。このビジネスを経てあなたは日本で偉大な人になるでしょう。
(相手)開店費用としていくら払うか教えてください。私が代わりに完了させますので、どうぞよろしく。
これ以降は返事を返しませんでした。何日か経ってメッセージは相手が全削除しました。
こういう通知がパソコンの右下に表示されました。
現在ではアカウントそのものが消滅しています。
昔経験した似たような事例
以前もこれと似たようなメールを受け取ったことがあります。あの時はインスタグラムではなく、フェイスブックのメッセンジャーでした。あなたに17億円を差し上げますというメールでした。
その内容は、
アメリカで死亡した、ある人物が実はあなたの親戚で日本円で17億円の遺産が残されています。私はその管理を任されている弁護士です。
親族であるあなたには、その遺産を受け取る権利があります。
アメリカに来て口座を開設してください。それであなたに遺産が渡されます。
というものでした。
この時はちょっと本気にして結構長い期間にわたって相手とメールのやり取りをしました。
ですが、話がうますぎてどうにも信じられず、会話の一部をコピーしてGoogleで検索してみましたら、全く同じ事例がヒットしました。
このままやり取りを続けたらこの後、どういう展開になるかも載っていました。
この後の展開とは、遺産を現金化するために手付け金が必要になってくるとか、海外送金のために手数料がかかります、とか、現地の政府に納める税金、弁護士費用など、遺産を受け取るためにはいろいろな費用が必要になってきます、その費用を先に払ってください、そうすればあなたはすぐに17億の遺産を受け取ることができるでしょう、というものでした。
その費用とは日本円で100万円から200万円です。
そして費用を払った途端に相手からの連絡は途絶えそれで話が終了になるというものです。手数料詐欺です。
自分が読んだ記事によりますと、これは世界的に使われている詐欺の手口で、実際にそれだけの手数料を払った人が日本人で数十人いるとのことです。
今回のインスタのメールも、金額こそ違え、億単位のお金を差し上げますという話は、今後は多分これと同じような展開になっていたのではないかと思います。