人間は刺激のない状態にどれだけ耐えられるのか。

1954年にアメリカでこのような実験が行われました。学生を対象にした実験で報酬は1日20ドルです。20ドルと言えば約2000円ですが、当時としてはかなり高額の金額です。

孤独で、外からの刺激がほとんどない状態に人間がおかれた場合どうなるのかを見る実験でした。

学生を防音装置の付いた小さな部屋に入れて半透明のメガネをかけさせます。見えにくい眼鏡をかけるのは視覚を遮(さえぎ)って周囲の物があまり見えないようにするためです。

手には手袋をはめさせ、腕には長い筒をはめさせました。ほとんど腕全体が筒に覆われるために腕を曲げることができません。そして手に何かを持つということもできません。

その状態でベッドに24時間横たわることを命じました。動いて良いのは食事の時とトイレの時だけです。

何人もの学生を対象に実験を行いましたが、3日以上耐えられた学生はわずかでした。最初はほとんどの者が寝ますが、目が覚めて寝られなくなった場合、それ以降は口笛を吹いたり歌を歌ったり、独り言を言ったりし始めます。

そのうちイライラし始め、怒ったような状態になります。考え事をするにも考えることがなくなってしまいます。

実験が数日間続くとリスが行進している光景が見えたり、音楽が聞こえるなどと言い始めた学生もいました。

4日目になると手が震えたりまっすぐ歩けなくなるなど、応答が遅くなったり、痛みに敏感になったりします。

精神的に不安定な状態になり、このような状態になると、実験が終了した後に簡単な作業をやらせても間違いを多くなったり、気持ちの集中が出来なくなってしまいます。

元の正常な状態に戻るには実験が終わってから三日以上の期間がかかりました。

このような実験から人間の心が正常に働くためには常に外からの新しい刺激が必要であることが分かります。

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