お客と運転手と、どちらが悪質なのか。

とある、いかにもヤンキーのような男のお客を乗せた。話をしてみると別に自分に対しては、別に偉そうなことをいうでもなく普通に話す人だった。

これはそのお客がしてくれた話。

彼が飲み屋街で飲んだ後、家に帰るためにタクシーを拾った。アパートの場所を告げて後は寝ていたら、着いた時に運転手の人が起こしてくれた。

「1670円になります。」

と言われたので、彼はわざと「5千円札1枚と千円札1枚」の、六千円を出した。

お札を出し間違える人は結構いる。

本人は2千円出したつもりが1万千円だったり、五千円を千円札5枚で払ったつもりが中に1万円が混じっていたり。

この場合、彼はわざとお札を出し間違えて、運転手の反応を見てみたらしい。

「どお?ちゃんと二千円ある?」

と、彼が眠そうに聞くと運転手は

「はい、二千円あります。」

と言ったので、その瞬間、彼は態度を豹変(ひょうへん)させた。

「嘘を言うなーっ! 俺は今、六千円出しただろうがー! 何が二千円ありますじゃー! お前、ごまかそうとしたな!」

運転手の方も多分、腰が抜けるほど驚いただろう。まさか分かっててこういうことをする人間がいるとは。

ひたすらすいませんと謝るしかない。

「詐欺じゃねーか、泥棒野郎!」

と散々罵倒(ばとう)されたが反論も出来ない。

それでこの彼、別に料金をタダにしろとか警察を呼べとかそういうことは言わなかったらしい。ちゃんと金も払って降りたとのこと。

ただイタズラをふっかけてそれに引っかかったら、ボロクソに言ってやるのが面白いからやってるだけなんだと。

罠を仕掛けるこの彼とごまかそうとした運転手と、どっちが悪質なんだろうか。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ