映画「鬼滅の刃 無限列車編」の驚異的な興行成績。海外の反応や映画による作者の収入は。

2020年10月16日(金)に、全国411館で公開され、爆発的なヒットとなっている「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」は、12月6日(日)までの52日間で

全国414館(IMAXシアター 38館含む)
観客動員:2152万5216人
興行収入:288億4887万5300円

となり、「タイタニック」(1997年公開)を抜いて、歴代2位の興行収入となっています。第1位の「千と千尋の神隠し」(2001年公開)308億円に迫る勢いです。

また、観客動員数2000万人突破も、歴代最高の「千と千尋の神隠し」(308億円)、「アナと雪の女王」(255億円)に続いて3本目となります。

「鬼滅の刃」は、公開から10日間で100億円を突破しており、日本で上映された映画の中では最も速い日数で100億円を超えています。

「鬼滅の刃」は、2016年2月から2020年5月まで「週刊少年ジャンプ」で連載されていた吾峠呼世晴さん原作の漫画です。
人喰い鬼の棲む大正時代が舞台で、主人公・炭治郎が、人喰い鬼に家族を殺されたことで復讐を決意し、また、唯一生き残ったものの鬼になってしまった妹の禰豆子を人間に戻すために、鬼を討つ旅に出るというストーリーです。

コミックスは累計で1億部を突破し、2019年4月から9月にかけてテレビアニメが放送されたことをきっかけに人気が爆発しました。劇場版は、アニメの最終話からつながる展開となっています。

歴代映画興行収入ランキング(興行通信社調べ)

1位・千と千尋の神隠し(308億円)
2位・鬼滅の刃無限列車編(275億億円)
3位・タイタニック(262億円)
4位・アナと雪の女王(255億円)
5位・君の名は。(250.3億円)
6位・ハリーポッターと賢者の石(203億円)
7位・ハウルの動く城(196億円)
8位・もののけ姫(193億円)
9位・踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(173.5億円)
10位・ハリーポッターと秘密の部屋(173億円)


「鬼滅の刃」海外での人気は

▼台湾

「鬼滅の刃 無限列車編」が、海外で最初に公開されたのは台湾です。海外での鬼滅の刃のタイトルは「デーモン・スレイヤー」です。

台湾では10月30日に公開されて以来、ずっとトップを独走していて、アニメ映画史上初の5億台湾ドル(18億円)という興行収入を記録し、台湾の興行収入史上20位にランクイン。絶大な人気となっています。台湾の人口は日本の約6分の1です。

公開以来、早々と「君の名は。」(2016年)を抜いて、台湾における日本映画興行の歴代1位となっています。

アメリカのエンタメ・メディア「バラエティ」も、台湾での鬼滅ブームを報道しています。

「台湾の視聴者も日本のアニメ映画を楽しんでいる」と特集を組み、
「デーモン・スレイヤー、日本のアニメ映画が台湾の興行収入記録を書き換える」
「これで台湾で今年最大のヒット映画となり、日本映画としては最高の記録で、台湾史上最も売れたアニメ映画になった」と、記事の中で伝えています。

また、台湾の雑誌である「今周刊」では
「なぜ、鬼滅の刃はドラゴンボールやワンピースよりも人気となったのか」とのタイトルで特集しています。

記事では、原作漫画が日本漫画史上最速で1億部を突破したことにも触れ、「ワンピースやドラゴンボールを超えた。一層すばらしいことは現在の鬼滅の刃の漫画は22巻に到達したが、10月の漫画売り上げランキングで1位から22位まで独占した」と述べられています。

台湾では、外国映画が公開されるにあたって、吹き替えではなく、字幕を使って公開するのが一般的ですが、鬼滅の刃の場合、吹き替え版が製作されました。こういったところにも映画の加熱ぶりが現れています。

親日国で知られる台湾では、ジブリアニメや「ドラえもん」「名探偵コナン」や「ワンピース」を始めとして、日本のアニメはかなりの数が放映されており、日本アニメは完全に台湾の中に浸透している存在となっています。鬼滅の刃にも、そういった受け入れやすい土壌もあったのでしょう。

また、印刷物としての漫画に関しても、台湾には「宝島少年」という「週刊少年ジャンプ」の連載を翻訳した漫画雑誌があります。

これは台湾漫画翻訳出版の最大手である「東立出版社」から発行されている週刊誌なのですが、ジャンプの全ての連載ではなく、その中から約10作を選んで、日本と同じ連載ペースで掲載されています。たまに他誌の連載も混ざっていることもあります。

「鬼滅の刃」は当初その中に入っていませんでしたが、アニメの放送が開始されたことで、一気に台湾での知名度が上がりました。

映画は台湾だけではなく、2020年12月から2021年2月にかけて、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどアジア各国で公開される予定になっています。


▼韓国

国をあげてノージャパンや日本製品の不買運動をしている韓国ですが、漫画・アニメ・ゲームなどは不買運動の対象外のようです。

日本のアニメは1960年代から韓国に輸出が始まり、韓国でも大きな人気を誇ります。

「美少女戦士セーラームーン」、「ルパン3世」、「名探偵コナン」、「ドラゴンボール」、「スラムダンク」「崖の上のポニョ」、「ハウルの動く城」、「千と千尋の神隠し」「ワンピース」など、韓国でのヒット作はあげればキリがないくらいです。

「鬼滅の刃」もその流れで韓国に登場しました。韓国語版の漫画の単行本が発売されて、すぐに大人気となりました。

公式のファンブックが出版された時には、すぐに初版が完売し、漫画の方はその当時20巻まで発売されていましたが、ファンブックと同時に発売された「1-20巻セット限定版」は、1日で完売しました。

そして2019年4月に、韓国のケーブルテレビで鬼滅のアニメの放映が始まったことで人気が更に爆発。
韓国の動画配信アプリの「ウォッチャ」や「ラフテル」などでも、上位5%内に入る人気番組となっています。

その人気を反映して、2020年4月には「鬼殺の剣」という、「鬼滅の刃」の場面や設定、ストーリー、キャラクターをそのままパクッたようなゲームまで登場しました。

しかしこれはさすがに盗作だという指摘が数多くなされ、公開から6日で販売停止となりました。

関連グッズもかなり売れており、フィギュアや腕時計、日輪刀、キーリングなどのキャラクター商品が韓国のネット上では約6万件販売されているといいます。

「鬼滅の刃 無限列車編」の映画も公開が決定されていますが、現在コロナの影響で公開日が伸びている状態です。決定次第発表があるでしょう。


▼香港

香港では鬼滅の刃(海外版タイトルはデーモン・スレイヤー)は11月12日に公開され、すぐに絶大なる人気が集まりました。香港の英語紙である「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」は「鬼滅の刃は、香港の年間ボックスオフィスのチャンピオンになった」「日本の鬼と戦う少年の映画がスタジオジブリの千と千尋を破った」と伝えています。

また、「すでにペニンシュラとテネットを撃破し、年間興行収入のチャンピオンとなった。」とも書かれています。
「ペニンシュラ」は韓国映画のヒット作、「テネット」は、クリストファー・ノーラン監督の名作で、これらを公開からわずか2週間で抜いてしまった鬼滅の刃は、香港でもすごい勢いだと言えるでしょう。


▼チリ

日本からすれば地球の裏側となる南米・チリでも「鬼滅の刃」無限列車編の日本での加熱ぶりが報道されています。

チリのメディアである「ラ・テルセラ」は、日本での興行収入が204億円を突破した時点で、映画の歴代ベスト5入りを果たしたことを大きく伝えています。

「劇場版・鬼滅の刃が日本で5番目に成功した映画となる。」

「デーモン・スレイヤーはアジアの国で史上5番目の興行収入を記録した映画になる。スタジオジブリ(宮崎駿監督)のハウルの動く城や、他の映画を超えた。ハリーポッターの映画も、だ」

「日本の興行収入史上最速で200億円の壁を突破した映画となった。61日で到達した宮崎駿の千と千尋の神隠しの半分の時間で達成したのだ。無限列車は、これをわずか24日で成し遂げた。」

と、遠く離れた海外のメディアでも、鬼滅の刃の快進撃は報道されています。


▼映画「鬼滅の刃」によって原作者に入る収入は。

ヤフーニュースで映画ライターの人が解説していました。
作品が映画化された場合でも、原作者には、最初に「原作使用料」という金額が支払われるだけであり、その金額は映画の興行収入からすれば、はるかに少ない額となります。

その原作使用料とは、映画制作会社が出版社に支払うもので、その後、出版社から原作者に支払われるという形になります。

原作使用料は上限が決まっており、日本文藝家協会の「著作物使用料規定」によって1000万円までと決められています。
現実的には大体、相場は200万円から400万円くらいで、これを受け取った出版社が、この中から原作者に何割かを支払います。これが漫画を原作とした映画の、一般的なお金の流れになっています。

映画は記録的な大ヒットとなっても、作者である吾峠呼世晴さんはこれが初連載の新人作家ですから原作使用料もおそらくそれほど高額ではないでしょう。そしてその額は映画製作前から金額が決まっているものなので、たとえ270億以上の興行収入があったとしても、原作者の受け取る原作使用料は数百万円でしょう、との推測です。

一般人からすれば数百万円は大きいですが、映画の興行収入からすればほんのわずかな金額となります。

興行収入の何%かを出版社が受け取るといった、歩合制の契約を結ぶことも不可能ではありませんが、そういった例は少ないとのことです。

では、莫大な興行収入はどこへ行くのかというと、映画の製作に関わり、最初に出資していた会社に配分されるのです。

映画を作るには莫大なお金がかかります。一般的には最初に何社かが集まって製作委員会を作り、各企業が制作費を出資しあって映画製作がスタートします。

興行収入によって得られた利益は、その出資した比率に応じて各社に分配されることになっています。製作委員会を構成する会社の数は映画によって違いますが、10社くらいが関わっているのはよくあることです。

ですが、鬼滅の刃の場合、集英社とアニプレックスとアニメを制作したufotableの3社だけで、大ヒット映画としてはずいぶんと数が少ない珍しい例となっています。ですから利益を3社で分けるとなると3社ともかなり儲かることになります。

会社の方にだけずいぶんとお金が流れるような印象がありますが、実際には映画製作とは賭けのような一面があり、鬼滅の刃は大ヒットしたものの、その逆にほとんど観客が来ずに大赤字になる映画もあります。

ですがどんなに大赤字でも原作者には原作使用料は確実に支払われるので、最初に受け取っていれば、その方が安心といえば安心です。

それにしても原作者に渡るお金が少なすぎるという印象を持つ人も多いでしょうが、映画の収益から受け取るお金は原作者からすれば全体の一部であり、実際には映画が大ヒットすればDVDやブルーレイなども売れます。

DVDやブルーレイは、売上に応じた歩合制の報酬が原作者に支払われるのが普通です。ソフト本体の価格の1.75%×枚数が一般的な相場です。レンタルの場合だったら3.35%が原作者に入ってきます。
更に原作漫画の売り憂げも伸びれば印税収入も増えます。テレビ放送、ネット配信からも収入があります。

映画自体から得られる収入は少なくても、全ては連動していますので、映画が世界的に有名になれば、原作漫画、キャラクター商品、DVDなどの鬼滅関係の全ての売り上げも跳ね上がり、それらからは歩合制で原作者の元にお金が入ってきますから、映画の利益の中からいくらもらえる、といった単一の話ではないのです。映画のヒットの功績は様々なところに影響をもたらしてくるのです。

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