高級クラブのホステスのノルマと実生活

この辺ではNo.1の高級クラブのホステスをしている女の子を家まで迎えに行った。これからタクシーに乗って店まで出勤である。
でも今日はいつもと違って元気がないような感じだった。

走り始めるとすぐに、

「はぁ~あ・・。ねえ、私、仕事辞めようかと思うんよ。」

と話しかけてきた。

「え? どうしたんですか? まだ入って1年も経ってないでしょう。給料だって前の店よりいいと聞きましたが・・。」

「あの店にいたらねぇ、めっちゃ生活が苦しくなるんよ。服だって言われる通りにそろえてたら、それだけで毎月かなりの額になるし。それに髪型にもうるさくて、週に一回、多いときは週に2回は美容院に行かないといけないし。全部自分のお金で行くわけでしょう。

それに何かあるとすぐに罰金なんよ。遅刻したら罰金1万円。早退しても罰金1万円。しかもその早退というのが、例えばお店がヒマで、夜1時の閉店時間を待たずに、お客さんがいなくなったから0時半に閉めたとするじゃない。そうしたら早退扱いになって罰金1万円なのよ!

店の都合で早めに閉店したくせに、それを私たちの早退扱いにするってめちゃくちゃじゃない?

それにこの間、同伴(どうはん = 店の開店前に自分のお客さんと食事に行って、そのまま店まで連れてくること)をした時、開店時間より遅れて連れていったら、それって遅刻になって、罰金1万円だったんよ。

だいたいお店にお客さんを連れてきたのに、それで遅刻で罰金ってひどいと思わない?」

「いや、まあ・・そうですね。」

「それとねぇ、この間会議があって、ノルマが決まったんよ。今度から一人当たり、1週間にボトル5本入れさせないといけなくなったんよ。出来なかった場合は、一本当たり1万円の罰金なんだって。毎週毎週5本も入れられるわけがないじゃない。」

と、理不尽な点を色々と聞かせてもらったところで、店に到着した。何とかみんなで団結して、この制度を変えていくように戦っていくらしい。

もちろん、会社側に頭に来ることは、どんな職業でも多いかれ少なかれあるだろうが、長い不景気は、いろんなところで各従業員に無理難題を強いている。

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