どういった状態がひどい便秘なのか
便秘の人は男性も女性もいますが、圧倒的に多いのが女性の方です。
女性はホルモンや筋肉量などの生理的要因のせいで便秘になりやすく、市販薬に頼っている人も多くいます。
カゴメ株式会社が「現代女性の腸内環境に関するアンケート」により女性412人にアンケートを行った結果、
排便に関して
1日に2回以上が11.9%
一日一回が49.3%
2-3日に一回が29.6%
4日から6日に一回が8.5%
7回以上に1回未満という人が0.7%
という結果になりました。 下の二つを合わせますと約1割が重症の便秘であることが分かります。
便秘には明確な定義がありませんが排便がないことによって不快な症状が出てくれば便秘と判断されます。これらの症状に当てはまるものが多いほど重症の便秘と考えられます。
1.朝食の後に便意が起こらず、トイレに行きたくならない。
2.下剤を使えば数日に一回は便が出る。
3.下剤なしでは自力で排便することができない。
4.下腹が出ている。腹部に張りを感じる。
5.胸焼けがして食欲不振の状態が続いている。
便意がないのがひどい便秘、便意が消えたら重症と言われています。
朝食で胃に食べ物が入ると、胃や結腸反射によって腸が動き出し、便意が起こります。それで毎朝、朝ごはんの後にトイレに行く習慣がある人が多いのですが、これがなくなってしまった場合、重症の便秘です。
下剤を使って出たのでなんとか今日はよかったという考えは便秘を悪化させることになります。腸の本来の機能を低下させて下剤に頼り、いずれは下剤がなければ出なくなってしまうからです。時に下剤を使うこともあるでしょうが、日常的に使うことは避けるべきです。
また、下腹が出ている・腹部に張りを感じるというのは腸の動きが悪くなっている証拠で停滞腸ともいいます。
便が出ないと腸内にガスも溜まってきます。多い時で2リットルぐらいのガスが溜まることもあります。横行結腸に溜まったガスが胃を圧迫することがあります。胃の働きに影響して逆流性食道炎を起こす危険もあります。
便秘は腸内だけのトラブルにとどまらず腸内で発生したガスが再吸収されて体臭や口臭になったり、また、肌が荒れたり吹き出物が出たりなど体の各所に影響が出てきます。ガスでお腹が張ってウエストサイズが大きくなることもあります。
便意がなくなったり下剤依存の状態に陥(おちい)ったりしたら、医療機関へいくことが大切です。ひどい便秘は病気です。