深夜、誰もいないはずの部屋から物音が聞こえる。

夜の1時か2時ごろ、片側1車線の道路を走って繁華街に帰っていると、左手に2人の女性が立っているのを見かけた。
2人共、こっちを見ながら両手を振っている。絶対停まって欲しい感じが伝わってくる。

近づいてみると2人ともパジャマ姿。見た感じ親子のようだった。

停車してドアを開け

「はい、どうぞ。」

と言うとすぐに乗ってきて行き先を告げた。走り始めると、

「助かりました!すごく怖かったんですよ。泥棒に入られました。」

と話しかけてきた。

話を聞くと、この2人は、このすぐ近くの一軒家に住んでいる。
父親はおらずに、母と娘の2人暮らし。寝る時には2人が同じ部屋に寝ている。

さっき夜中にふと娘の方が目を覚ますと、隣の部屋で何か物音が聞こえる。

引出しを開けたり閉めたりする音、畳の上を歩いている足音、物を動かす音。

この家には自分と母親しかいない。そして2人とも今、この部屋にいる。という事は誰かが侵入して隣の部屋にいるのだ。

娘はそっと母親を起こし、異変を告げる。隣の部屋の侵入者に気づかれないように小声で相談して、とにかくこの家から逃げようということになった。

そっとふすまを開けて、そろそろと2人で廊下を歩く。しかし歩いている時に廊下からギシッという音が聞こえてしまった。

その瞬間、侵入者のいる部屋の窓がガラッと開いた音がして、誰かが外に飛び降りる音、そして走って逃げる足音が聞こえてきた。

「キャーッ」と2人で悲鳴をあげ、家の外へと飛び出した。しばらく家の外にいたのだが、さっきの様子からして侵入者はもう、家から逃げ出している。別に外に逃げ出す必要はなかったのだ。

とりあえず家に帰って警察を呼び、調べてもらうとやっぱり泥棒だった。部屋はかなり荒らされていたという。

一通り捜査が終わって警察は帰って行ったが、だからといってまた普通通り、同じ布団に入ってこの部屋で続きを寝る気にはならない。

とりあえず今日は近くに住む親戚の人に電話をして、そこに朝まで居させてもらうことにしたらしい。

その親戚の家の前には10分ぐらいで着いた。何度もお礼を言って降りていったが、よく考えるとこういう出来事はやっぱり恐怖。

自分も夜中に目を覚まして知らない奴が部屋の中に入っていたら、果たして反撃できるだろうか。体が硬直して何もできないかも知れない。自分はしたくない体験である。

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