メガネの行方。
ある飲み屋から、結構酔っ払っている感じの男の客を乗せた。目的地は12分か13分ぐらいの場所。
幹線道路を走って向かったが夜中の2時か3時頃だったのですでに道路はガラガラの状態。
お客は車の窓を開けさらに顔を外に出している。だいたい、顔を外に出しているような人は気持ちが悪くて吐きそうな人が多い。
まさか吐くんじゃないだろうなとヒヤヒヤもんで、そうこうしていると突然後ろのお客が
「あーっ!」
と大きな声を上げた。
「ちょっと停まって!停まって!」
と言うのですぐに車を左に寄せて停めて
「どうしました?」
と聞いたら
「メガネが飛んでいった!」
と言う。
車の窓から顔を出していたらメガネが吹き飛んだと。
何という間抜けな。
「ちょっと一緒に探して下さい。」というのでしょうがない。
今通った道を懐中電灯を照らして 歩いて探してみたが見つからない。
歩道の方にでも飛んでいるのかと思って道路を見た後、歩道にも上がって探してみたが見つからない。100メートル以上に渡って2回往復してみたが見つからなかった。
お客も車から降りて歩いて探している。
お客と自分と、別々の方向を歩いて探したが見当たらないので、車に戻ろうとすると、そのお客はいつのまにかいなくなっていた。
「あっ逃げられた!それとも本当に熱心に探すあまり、どんどん歩いて行ってはぐれてしまったのか?」
とにかくお客はいなくなってしまった。メーターはまだ1メーターの距離だったので690円だったが、相手がいなくなったとなると結局自腹で払うことになってしまう。
今度はメガネじゃなくてそのお客を探すことになった。一直線の道路だが、小さい路地が何箇所かある。その辺りを探してみたが結局いない。
何なんだ。親切に降りて探して行ったつもりが、結局相手はいなくなって自分で払うハメになった。時間も手間も丸損。
DVD・本・ゲームのツタヤオンラインショッピング。