図書館で偶然見つけた本から大金を得た。
フランスの学生であるラコスト青年は、1920年ごろ、イタリアのローマにあるバチカンの図書館を訪れた。
そこでたまたま、ある一冊の本に興味をそそられた。その本は「動物学」という名前の本であり、ラコスト青年が見つけたのは全く偶然だった。
著者はフランスの生物学者であるエミール・ド・フェブリエという人物らしい。
中を読み始めてみるとなかなか面白い。読み進めてついに最後まで読んでしまった。
そして最後のページに到達すると、そこには著者からのメッセージが直筆で書かれていた。
「ありがとう。この本を最後まで読んでくれたあなたには幸運が待っている。ローマのギウスティズィア裁判所にいって、〇〇という書類を請求して下さい。」
ただの冗談が書かれているのかと思ったが、それでも何かあるかも知れないと思い、ラコスト青年は本当に裁判所に行って書かれている書類を請求すると、その書類は本当に裁判所に預けられていた。
その書類とは著者であるエミール・ド・フェブリエの遺言状だった。そして400万リラというお金も一緒に裁判所に預けられていた。(400万リラ(TRY)は約2,862万902円)
遺言状に書かれたところによると、この本の著者である、フランスの生物学者エミール・ド・フェブリエは財産家であったらしいが、学者としてはあまり実績を残すことができず、年をとってからようやくこの「動物学」という本を出版できたらしい。
しかし一般の人はもちろん、家族さえもこの本を読んでくれない。彼は大きなショックを受け、バチカンの図書館に寄贈したこの一冊だけを残して、他の本はすべて焼いて処分した。
そして全財産を持って消息を断った。以来、この一冊だけ残った本は50年間誰にも読まれることがなく、図書館に眠っていたのだ。そしてたまたま手に取って読んだのがラコスト青年だったのだ。
ラコスト青年はこのまま400万リラを受け取れるかと思ったが、法律上そうはいかなかった。
遺言とはいえ、こうした見ず知らずの人物に財産を渡すということはできず、法律上では親族の中で一番近い人間にしか遺産を譲ることができないことになっている。
喜びも束の間だった。この時青年はふとある事を思い出した。自分の母親が、結婚する前の姓は「フェブリエ」だったと聞いたことがある。
この遺言状の主もフェブリエ。 ひょっとして何か関係があるのかも知れないと思い、もっと調べてみると、この本の著者であるエミール・ド・フェブリエは、自分の祖父であることが判明した。
そしてその数年後、裁判によりこのエミール・ド・フェブリエの遺産は、その娘が引き継ぐこととなった。その娘というのはラコスト青年の母親である。
何気なく手に取った一冊の本は偶然にも自分の祖父の書いたものであって、その本が遺言状まで導いてくれて、ラコスト親子は大金を手に入れることになったのである。
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