ここから先に住んでいる人は大迷惑。

夜中の3時か4時ごろ無線配車で一軒の飲み屋に迎えに行きました。「お待たせしました。」と店に挨拶して外で待っていると、出てきたのは両手両足を友達に抱えられ、大の字になって運ばれてきた人でした。完全に寝ているのが分かります。

当然誰か付き添いが一緒に乗るのだと思っていましたが、みんなでその大の字になっている人をタクシーの中に押し込むとドアをバン!と閉め、その酔いつぶれた人以外は誰も乗らずに

「それじゃ、お願いします!」と言われました。

(ふざけるなっ、こんなの押し付ける気か!)とは口に出して言いませんでしたが、そう思いました。

「この人が住んでるのは、〇〇町で、あそこの川を渡ったらすぐ左手にアパートが二つあるでしょう!その奥側のアパートです!」

と言われました。

その説明でどのアパートか一応分かりました。連れの人たちが「そこまでいくらぐらいかかりますか?」聞いてくるので

「多分2500円くらいですね。」

と言うと3000円ほど渡されて

「これでお願いします、お釣りは取っておいて下さい。」

と言われたので、もうしょうがなくこの酔いつぶれ一人だけを乗せて出発しました。

目的地には着きました。このアパートで間違いないでしょう。これからが大変です。車を降りて後ろの座席に回ってとりあえず手を引っ張って座らせて起こして、

「着きましたよ!部屋まで一緒に行きましょう!部屋はどこですか!」

と大声で話しかけて、肩に手をかけてかなりゆすっているとようやく目を覚ましました。

どうにか一安心です。しかし一人で転ばずに歩けるのかどうか。

車から足を出させて手を引っ張ってなんとか車から降ろしまして、車から降りた以上、はっきり言ってここでほっといても良かったんですが、しょうがなく部屋の前まで一緒に行くことにしました。部屋を聞くと203と言います。2階です。

このアパートは建物の片方に階段があって2階に上がれるようになっていますが、階段があるのは片側だけです。奥の方は行き止まりになっています。向こうからは上がれません。

そして203と言うと、5つ部屋が並んでいるので、ちょうど真ん中の部屋です。そこまで腕を持ってどうにか部屋の前まで連れてきました。

真冬なら凍死するかもしれないので部屋の中に入るまで面倒見るのですが、今はそういう季節でもありませんでしたし、

「じゃあこれで帰ります。」

と言って手を離すとその男は(画面の)右側の壁にドスンともたれてそのままズルズルとしゃがみこんでしまいました。

そして次の瞬間

「うえええええええっっ!!」とすごい勢いで自分の部屋のドアに向かってゲロをぶちまけました。右の壁からドアまで一面ゲロの海になりました。

この赤いまるの範囲がそうです。

あーあ。。

もう一気に関わる気がなくなってしまいました。鍵を出して部屋の中に入るまで面倒を見ようかと思っていましたが、もうここまでやったらいいでしょう。

「それじゃ帰りますよ。」と言って帰ることにしました。相手も分かっているのかいないのか「んー・・、んー・・。」と返事をしています。

壁にもたれかかったまま、多分このまま寝るでしょう。廊下にゲロをぶちまけたまま。

一番奥の部屋ならまだ良かったんでしょうけど、ちょうど建物の真ん中の部屋です。ここから奥に住んでいる人は、明日出かける時にビックリでしょう。ゲロ踏まないと通過出来ません。大迷惑な住人です。

しかしこれ以上は面倒見れませんから家の前まで連れて行ってあげて、ここまでやっただけでも良しということにしましょう。

サブコンテンツ

このページの先頭へ