ひま要員とは。
夜の店すなわち飲み屋は店舗を構えてお客さんを待つ形式ですから、あまりにも繁華街の人出が少ないと一晩でお客さんゼロという店も結構あります。
ですが店としてはお客さんが0でも従業員の女の子には給料を払わないといけませんので、なんとしてでも0は避けたいところです。
そんな時、常連のお客さんに飲み屋の女の子は
「今、お客さんいないから、今から飲みに来て。」
と言ったメールを送ります。いわゆる営業メールです。
この間乗せた飲み屋の女の子が言っていましたが、
「今日は本当、少なかった。お客さんゼロで終わるかと思ったけど、今から飲みに来てのメールをしたら2人来てくれたからどうにかゼロは免(まぬが)れたけど。」
と言っていたので
「急にそういったメールを送って、すぐに飲みに来てくれるお客さんて貴重ですね。」
と言うと
「そうよねどの店だって、ひま要員っているじゃん。こっちから連絡したらすぐに家を出て飲みに来てくれる人。
特にコロナでこんな暇な時期になってしまったら、どれだけそういう人を抱えているかで売り上げが変わってくるよね。」
あーなるほど。今から飲みに来てとメールをしたらすぐに家を出て飲みに来てくれる人、すなわち売上になってくれる人はこの店では「ひま要員」と呼ばれているのか。
なんて素晴らしい言葉。
そういえば男の客さんからもそういったことは聞いたことがある。
「今日は飲みに出る予定じゃなかったのに飲み屋からメールが来て、今お客さん誰もいないから来てよ、私に会いにおいでよ、と書いてあったので急遽(きゅうきょ)出ることになってしまった。」
と、そういうことを言っていた男の客さんもいたし、やっぱり飲み屋の女の子からメールが来て、
「一緒に飲みたいの。」とか「会いたいの。」
といったメールが来たので急いで家を出たと言っていたお客さんもいた。
そういった人はいわゆる店から言うひま要員なんでしょう。
ですがどんなことでも女から頼りにされているのは男として嬉しいこと。相手側から何と言われていても自分が飲みに行くことによって店の売上が助かるんだったらやっぱり男冥利に尽きますね。