セクハラ発言で配車禁止の多い運転手。密室の会話でもみんな知れ渡る。
夜の勤務の運転手で7件か8件、配車禁止になっている運転手がいます。配車禁止とは、お客さんの方から
「あの運転手の人は今度から来させないで下さい。」
と苦情の電話が入って、そのお客さんのところへは行かれないようになることです。
会社にタクシー要請の電話がかかってきた場合、無線室は社内のルールに従って順々に車を行かせますが、その順番でたまたま配車禁止の車に当たると、無線室は順番を変えて別の車を行かせます。
その、7-8件配車禁止になっている運転手ですが、禁止になっている相手は全部飲み屋の女の子です。セクハラ発言が多くて苦情の電話が入るのです。
「おっ、今日はきわどいミニスカートだね。」
「太ももが綺麗だね。」
「相変わらず胸が大きいね。」
というようなことを言ったり、
(女性2人が乗って来て、夏になると網戸を閉めていても虫が入ってきて困るねといった会話をしていた時)
「僕も虫になって○○ちゃんの部屋に忍び込もうかなー。」などと口をはさんだり
その運転手が飲み屋の女の子に
「今度から会社じゃなくて僕の携帯に電話して直接呼んで下さい。」
と名刺を渡し、本当に携帯に電話がかかってくるようになると電話番号を知っているのをいいことに今度は逆に運転手の方から女の子に電話をかけ
「一緒にご飯食べに行かない?」とか「今から会いたいんだけど。」と誘いの電話をかけてきたり
あるいはその運転手が休みの日に、女の子の家の前まで自家用車で行ってその子に電話をかけ
「今、○○ちゃんの家のすぐ前まで来たんだけど、今から出てこれる?一緒にご飯食べに行こう。」と誘ったり、また、別の女の子には
「一人で住んでるの?家族は?歳は?飲み屋に入る前は何してた?彼氏いるの?両親はどこに住んでるの?」といった個人情報をあれやこれやと聞いたり、そういったことを繰り返していると
「あの人気持ち悪いので来させないで下さい。」とか、
「怖いので来させないで下さい。」とか、そういった電話が何本も入ってきます。それで配車禁止がどんどん増えてきます。
だいたいタクシーの中でセクハラ発言をしても誘っても普通に考えれば、タクシーとは密室ですから2人だけの会話ということで、外部に漏れるような事はないと思われますが、実際はそうではありません。
タクシーに乗って怖い思いとか嫌な思いをした、その飲み屋の女の子たちは、別の車に乗った時にそのことを喋るのです。
「この間おたくの会社の山田さんという運転手の車に乗ったんですけど、胸が大きいねとかスカートが短いねとかそういう事ばっかり言うんですけど。」とか
「私が電話番号教えたら、休みの日に家の前まで来て、『今家の前にいるんだけど今からご飯食べに行こう』と電話してきたりとか、超迷惑なんですけど、あの人あんなことするんですね。」
といったような調子で、乗る車乗る車、名前を上げて言いふらして回ります。
自分もそう言った飲み屋の女の子から、自分の会社の運転手の事を聞いたことは何回もあります。あいつあんなことやってたのかとお客さんの口から聞いてびっくりです。上に書いたこともお客さんから直接聞いた話や他の運転手から聞いた話です。
それで他の運転手もそういったことを聞いた場合、これは面白いことを聞いたということで、運転手から運転手へ話が伝わり、あっという間に広まります。
密室の秘密の会話だと思ったら大間違いです。それも多分、事実よりも大げさに面白おかしく言いふらされていると思います。
やはりお客さんにおかしなことは言わないことです。