これってストーカーの手伝いかも?

夜の22時頃、とあるアパートへ、お客さんを迎えに行った。乗ってきたのは30代くらいの男。行き先は、飲み屋街の有料駐車場。

その駐車場へ着くと
「ちょっと待ってて下さい。」
と言って車を降り、駐車場の中をウロウロしている。誰かの車を探しているようだ。

タクシーに戻って来ると
「なかった・・。じゃ次、○○の駐車場に行ってもらえますか。」

と言うので、言われた駐車場に行くとまたも同じ。タクシーから降りて誰かの車を探している。ここにもなかったようだ。

さらに別の駐車場、また別の駐車場と、この飲み屋街に点在している駐車場を次々とまわっている。

そして5つ目の駐車場から帰ってきた時、
「あった、あった、ありましたよ。やっと見つけました!」

と、喜んで話しかけてきた。

「目的の車が見つかったんですね。」

とこちらが言うと

「そうなんすよ。俺から逃げ回ってる女の車なんですけどね、今日、飲みに出てるはずなんですよ。ここに車を停めてたということで行ってる店も分かりました。」

「あ・・そうなんですか。それは良かったですね。」

「じゃ次は、あの女の家を探しに行くのでよろしくお願いします。○○郵便局から歩いて2-3分と聞いたことがあるんで、その郵便局の辺りまでお願いします。」

と言うので、その郵便局の辺りまで来た。

「この辺りの家の表札、順々に見ていきますから、運転手さんも一緒に来て下さいよ。」

「は?僕も行くんですか?」

「いいじゃないですか、お願いしますよ。」

と言うので、とりあえず車を通行の邪魔にならない所に停めて、降りて一緒に探すことになった。

「川上(仮名)という家を探しましょう。」

「分かりました。」

自分がポケットから懐中電灯を出して順々に表札を照らして行くと

「懐中電灯助かります!運転手さん、ナイス!」

と、一応誉められた。

10数件見てみたが該当する家はなかった。そして次の家。

この家には門に表札が出ていない。

「これは玄関まで行かないと表札が分かりませんね。庭の中に入っちゃまずいでしょう。ここはやめときましょう。」

と言ったのだが、

「いや、見に行きましょう。一緒に来て下さい。」

「は?僕も行くんですか?」
「いいじゃないですか、来て下さいよ。」

「いや、でもまだ家に電気がついてますよ、家の人が起きてますよ。」

「静かに入れば大丈夫ですよ。」

と言うので2人で静かに庭に忍び込んだ。庭から玄関まで5-6m。玄関まで行って懐中電灯をつけるとそこには「川上」という表札がかかっていた。

見つけた!この家だ。再びそろそろと足音を立てないようにしてこの家の庭を出た。
誰かに見られていたら完全に不審者と思われてしまう。

急いで2人でタクシーに乗り込んだ。

「いや、ありがとうございます!やっと見つけましたよ、あの女の家!
これで思いっきりつきまとうことが出来ます。大収穫ですよ。」

と、随分と嬉しそうだった。

それから彼を、最初に乗った自宅まで送り、ようやくそこで別れた。
タクシー代は、本来だったらあの距離くらいだったら1200-1300円ぐらいだろうが、4500円まで上がっていた。

何回もお礼を言って気持ち良く降りてくれたのでこちらも気分がいいが、どうもストーカーの手伝いをしたような気がしてならない。

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